ショパン 3つの新エチュード 第1番

2016年5月
05 /31 2016
ショパンの3つの新エチュードから1番について書きたいと思います。
この曲は今年の全日本学生音楽コンクールの中学生部門の予選の課題曲の一つとなっております。

【第70回全日本学生音楽コンクール中学生部門予選課題曲】
1)バッハ 平均律クラヴィーア曲集1巻
  No.5 No. 6 No.10  から1曲
2)ショパン ェチュード Op.10-8  Op.25-3  3つの新エチュードNo.1F mollから1曲

【予選会場】
あいおいニッセイ同和損保 ザ・フェニックスホール
大阪市北区西天満4-15-10
あいおいニッセイ同和損保フェニックスタワー内

【予選日程】

中学校の部
9月10日(土)・11日(日)

【申し込み締め切り】
2016年7月8日(金)から7月22日(金)まで(必着)

※詳しくは参加要項規定をご覧ください。

この3つの新エチュードはOp.10とOp.25の24曲のエチュードほどは難しくありませんが、スクリャービンのエチュードに出てくるようなリズムによるエチュードと言えるでしょう。

3つの新エチュードNo.1は右手3つ左手4つのポリリズム(複合リズム)による練習曲です。
4つと3つですから左右は終始全く合わないのですが、全体のテンポは一貫したテンポになるように練習しなければいけないかと思います。

左手は各小節冒頭のバスが大切で、それ以外の音は軽く弾かなければ右手と左手の響きが喧嘩してしまいます。
右手を左手に合わせながら弾くと、右手の旋律のなめらかさがなくなってしまうのではないかと思います。

ショパン 3つの新エチュード♫~アシュケナージ

レッスン問い合わせ


ショパン スケルツォ第1番

2016年5月
05 /28 2016
ショパンのスケルツォ第1番は今年の全日本学生音楽コンクールの中学生部門の本選の課題曲になっております。

私が中学1年生の時の第48回全日本学生音楽コンクール中学生部門の本選でもスケルツォ1番は課題曲となり、私は入賞致しました。

その時の門真ルミエールホールのピアノがべ―ゼンドルファーでした。 当時師事していた片岡みどり先生が「ベーゼンドルファーは弾くのが難しいピアノだから、一度弾いておきなさい。」と新大阪にあるベーゼンドルファーのショールームにお電話して下さいました。 そして予選の前に2度ほどリハーサルに行ったのがベーゼンドルァーのピアノに触れた最初のきっかけです。
  
この曲は1か月ほど弾いたところで、ポーランドのワルシャワ高等音楽院院長のカジミエール・ゲルジョード先生に見て頂きました。

ショパンのスケルツォは4曲ともシンプルな形式ですが内容の深い曲です。 第1番はショパンがパリへ移った頃、ポーランド国内でロシア軍侵攻に反発する反乱が起こり、ショパンが祖国へ帰る事が出来なかった時期に書かれた曲で、ショパンの民族意識が濃く反映された曲だと言われております。

詳しいテクニックについてはレッスンで実際にピアノを使ってでしかお伝えしきれませんが、簡単に書いてみたいと思います。
冒頭はffの和音で開始されますが、あまり叩かずそばで弾いた方が良いとゲルジョード先生に言われました。 2つの和音が続いた後は、速いパッセージが続きます。

中間部ではショパンの祖国への思いが現れた「クリスマス・キャロル」が出てきます。 讃美歌(コラール)のように弾きましょう。
クリスマス・キャロルが3回繰り返し出てきますが、1回ごとに音色や表情を変えた方が良いかと思います。 クリスマス・キャロルの後には、衝撃的な和音が登場した後、冒頭と同じ速いパッセージが繰り返されます。

最後のCoda(コーダ)は、テンポが上がりテクニック的にも難しくなります。

各箇所で必要とされているテクニックごとに分け、それらをよく練習する必要があります。

私は当時のコンクール参加時、母が楽譜屋で買い求めたコルトー版の楽譜に書かれている練習方法で練習しました。 コルトー版は日本語に訳されていないものも多いですが、ショパンのスケルツォはコルトー版の日本語版が出ております。 コルトーの解説は、練習方法だけでなく、曲の情景の解説も詳しく書かれており曲の背景をイメージするのにとても役立ちます。

ブログ「message」 スケルツォ1番

第70回全日本学生音楽コンクール参加規程
※詳しくは→こちらをご覧ください。

【予選・本選】
あいおいニッセイ同和損保 ザ・フェニックスホール
大阪市北区西天満4-15-10
あいおいニッセイ同和損保フェニックスタワー内

予選日程

中学校の部
9月10日(土)・11日(日)

本選日程
小学校 / 中学校 / 高校の部
10月30日(日)


レッスン問い合わせ


ブラームスと私

2016年5月
05 /27 2016
ブラームスのピアノ・ソナタは、ブラームスの若かりし頃の初期の作品です。 当時、ショパンやシューマン、リスト、ワーグナーなどロマン派と呼ばれるロマンティックな内容を持つ曲がほとんどでしたが、ブラームスはその流れに反発し、古典的な作品をたくさん書きました。

私は15歳の時から(中学3年生)東京の等々力にお住まいのピアニストで東京芸大非常勤講師でいらした関孝弘先生(奥様はイタリア人のマリアンジェラ・ラーゴさん)のご自宅へ奈良から新幹線で毎週レッスンに通っておりました。 その時に先生からブラームスのピアノ・ソナタを課題に出されお勉強致しました。 当時の年齢では、大曲でありまたブラームスらしい音を出すのに大変苦心しました。

ブラームスは厚みのある和音がたくさん出てきます。 古典的なスタイルを好みましたので、ペダルはあまり多くは使えませんが、分厚い響きが求められます。 ピアノ・ソナタ第1番の第2テーマにはショパンやシューマン、リストには見られない心を打つようなメロディが出てきます。

ブラームスはウィーンというイメージがありますが、生まれは北ドイツのハンブルクで、気候のせいか常に曲の背景には重苦しい雰囲気が漂います。

私は中学生の頃、相愛音楽教室でブラームスのシンフォニーの中の有名な旋律を授業の中の聴音で書き取りましたが、その時そのメロディーが大変印象に残っておりました。

また中学生の時に、チェコのプラハへレッスンとコンクールを受けに行った直後、大阪のシンフォニーホールで北ドイツ放送交響楽団によるブラームスのシンフォニー第1番と、ゲルハルト・オピッツというドイツのピアニストによるブラームスのピアノ協奏曲第1番を聴きに行った事があります。 ブラームスの演奏を初めて生で聴きその重厚な演奏に大変感動致しました。 その時の響きの強い印象からブラームス=北ドイツというイメージが強くあります。

小学生の頃から師事していた宝塚の中山寺にお住まいでいらした故片岡みどり先生のレッスン室には、ブラームスがピアノの前で演奏している絵が掛かっており、レッスンの中で下を向いてピアノを弾いていると、「ブラームスさんのように上を向いて弾きなさい。」とよく注意されたのがブラームスにまつわる思い出です。

レッスン問い合わせ

リスト 愛の夢第3番

2016年5月
05 /23 2016
リストの「愛の夢第3番」は以前浅田真央選手がフィギュアスケートで使っていたこともあり人気の高い曲です。

あまり高度なテクニックは見られず終始穏やかに歌われる曲です。

1
冒頭は右手部が伴奏で、右手と左手で交互に真ん中の旋律を歌います。
メロディーを浮き立たせ、右手の伴奏はできる限り目立たないように小さく弾きます。

2
技巧的な部分も少し出てきます。
鮮やかに弾きましょう。

3
最初のテーマが華やかに装飾され繰り返し反復されます。

4
ffで盛り上がったところは、一番この曲のクライマックスで華やかに演奏します。

5
華やかなパッセージが続いた後、最初の旋律が瞑想的に静かに再現されます。

6
最後は静かに終わります。

冒頭のテーマが華やかに装飾され姿を変え幾度も出てくる手法はリストの曲によく見られます。


レッスン問い合わせ

ブルクミュラー18の練習曲より No.2真珠

2016年5月
05 /20 2016
ブルクミュラー18の練習曲の2番の真珠について書いてみたいと思います。

ブルクミュラー18の練習曲はツェルニー30番程度の練習曲と並行して指の訓練を行いながら音楽性を養うための練習曲です。

美しい曲がたくさん入っておりNo,2は真珠という美しいタイトルが付いております。 私も小さい頃弾いた時に、素敵なタイトルと綺麗な音楽に楽しく弾いた覚えがあります。
ミキモト真珠島はこちら

冒頭はppで始まります。
1
右手の細かい32分音符はコロコロまるで真珠の粒のような粒立ちのタッチをイメージしながら弾くと良いかと思います。 練習曲ではありますがツェルニーのような練習曲にはならないよう注意したいところです。 よく見ると大きく書かれた音符と小さく書かれた音符がありますが、大きい音符は強調しながらよく歌い、小さい音符は軽やかに弾きましょう。

途中はffも出てきますが、ロマン派の曲ですので綺麗な音で弾きたいところです。
2

最後はppp。 消えるように終わりましょう。
3

ピアノのテクニックは早く指が動くことが大切ではなく、(全体に速く指が回りながらも)真珠の宝石のようにきらきらと美しい音で弾けるようになる事が大切です。 この曲はその練習のための練習曲でこの曲の難しい所はそこではないかと思います。

レッスン問い合わせ

リストFranz Liszt 超絶技巧練習曲 第4番マゼッパ

2016年5月
05 /16 2016
この曲は英雄的な超絶技巧を駆使した練習曲です。 ショパン(1810~1849)やリスト(1811~1886)の練習曲になると、ツェルニーの練習曲などと違って曲そのものが芸術的な楽曲が多くあります。

私はショパンの練習曲は高校生の時24曲全部さらい終えましたので、10代後半から20歳の頃にはリストやラフマニノフやドビュッシーやスクリャービンのエチュードに取り組くんでおりました。

さてリストの「マゼッパ」ですが、冒頭はリストらしい細かなパッセージが続きます。
1

この時代の作曲家には珍しく3段譜が出てきます。 真ん中の段の和音を弾きながら両端のメロディーを掴む練習曲です。
2

最初のメロディーが何回も変奏されて出てきます。

リスト特有のオクターブの連続です。
3

次は冒頭のテーマを左手でゆったりと歌う練習です。
4

最後はスケルツオ(こっけいな)で軽やかに変奏されます。
5

最後はffで華やかに締めくくります。
6

同時代のショパンの詩的な雰囲気とは全く異なるスタイルを持つリストの一面をよく表した曲と言えるかと思います。

リスト マゼッパ


レッスン問い合わせ

ドビュッシー前奏曲集第2巻花火から

2016年5月
05 /13 2016
ドビュッシーClaude Debussy(1862~1918)はフランスに生まれた作曲家で、11歳でパリ音楽院に入学しピアノと作曲を学びました。 一時ワーグナーの音楽に傾倒しましがた、20世紀印象派音楽を確立した作曲家であります。 同時代の作曲家に同じくパリ音楽院で学んだモーリス・ラヴェルMaurice Ravel(1875~1937)がいます。

ドビュッシーの前奏曲集は第1巻と第2巻の全24曲から成り、ショパンの前奏曲集をモデルにして書かれたと思われます。
第2巻の第12曲の花火はとても技巧的で華やかな演奏効果の高い曲です。

冒頭はppのパッセージで始まります。
冒頭はフランスものによく使われるタッチですが、ハーフタッチ(鍵盤の底まで弾かずに鍵盤の上半分程度だけを使って打鍵する奏法)で指を前に引っかくように弾くと限りなく弱く軽く弾けます。(グランドピアノとアップライトピアノはピアノの音が鳴る仕組みや構造が全く違いますので、これはグランドピアノでのみ可能な奏法です。アップライトピアノは鍵盤の半分だけを弾いただけでは音が全く鳴らず、鍵盤の底までしっかり弾かなければ音が鳴りませんので、グランドピアノでしか実際に試してみることは難しいかと思います)

連続する和音では脱力が必要かと思います。

速いパッセージが続きます。 私は印象派の絵画が好きでよく見に行きますが、絵画のモネやルノワールなどに見られる印象派のように、ドビュッシーではぼやけたような音色が必要でしょう。 ツェルニーやショパンのエチュードで使われる各音をしっかりとはっきりと出すテクニックとは異なるテクニックが求められると思います。
P1030344.jpg

ドビューシーはベーゼンドルファーのピアノの音色を好んだと言われます。
ffが多く出てきますが、強くというよりピアノ全体の響きをよく鳴らし華やかな音響効果が求められると思います。

ドビュッシーは月の光に代表されるように柔らかい曲が多いようにイメージされるかもしれませんが、実際の多くのピアノ曲では技巧的に難しい曲が多く、華やかな響きを持った近代的な曲が多いように思います。

常に脱力しながら柔らかい音色で弾くとフランスらしい雰囲気がよく出るかと思います。

最後の右手の最上声部にはフランス国歌ラ・マルセイエーズが出てきます。

ドビュッシー 前奏曲集第2巻より 花火♫~ツイメルマン

現在京都市美術館で「ルノワール展」が開催されております。→こちら


レッスン問い合わせ

ベートーヴェンピアノ・ソナタ第1番第4楽章

2016年5月
05 /07 2016
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第1番第4楽章に取りくまれる大人の生徒さんがいらっしゃるので書いてみたいと思います。

冒頭にはPrestissimoと書かれていますので速度表示の中では一番早いテンポになります。(-issimoはイタリア語で極めて~の意味です)
P1030317.jpg

この曲の特徴はfとpがめまぐるしく交互に出てくることです。 ただ音量を変えるだけでなく、みなぎる緊張感が必要でしょう。
冒頭は3連符による左手の速いパッセージで開始されます。 左手の親指の力を抜き、軽く弾くと速く弾けるかと思います。

第22小節の左手からはチェロの様に聞こえます。
P1030319.jpg

第30小節には右手の各拍の頭の音にメロディーが隠れています。
P1030321.jpg

中間部はベートーヴェンによく出てくる自然を描写したような田園調の美しいメロディーが現れます。
P1030323.jpg

クラシック音楽には調性というものがございますが、調性が感覚的に人が色彩感や情景をイメージするにあたって与える影響というもは多いような気が致します。 古来からシューバルトやゲーテ、スクリャービンなどによって調性が音楽を通して人に与える影響については研究されてきました。  f moll(へ短調)という調性から、速いだけでなくドラマティックな表情でみなぎる緊張感のようなものが必要かと思います。

レッスン問い合わせ

ベート―ヴェンピアノ・ソナタ第18番第3楽章

2016年5月
05 /07 2016
ベートーヴェンの中期のソナタ第18番第3楽章について書いてみたいと思います。

P1030314.jpg

A(Menuetto)+B(Trio)+A(Menuetto)の三部形式です。 第2楽章と第4楽章に挟まれた穏やかで美しいメヌエットです。

メヌエットはバロック舞曲の代表的な踊りの一つです。 上声部が一番大切なメロディーですが、各声部の弾き分けが大切かと思います。 中声部はメロディーを邪魔しないようとても静かに弾きましょう。

トリオ(Trio)は少し軽快な雰囲気に変わります。

P1030315.jpg

Codaは付点を軸に遠くへ消えていくようです。切れ目なく第4楽章へと続きます。

P1030316.jpg

メヌエットよりいくつかの曲をピックアップしました。
ラヴェル 古風なメヌエット

ビゼー「アルルの女組曲第2番」より3.メヌエット

ベートーヴェンピアノ・ソナタ第7番第3楽章Menuetto


レッスン問い合わせ