シューマン 幻想曲Op.17 第1楽章

2016年8月
08 /18 2016
シューマンの幻想曲Op.17は1826年に作曲されたロマン派の作品です。
3つの楽章から成り、第2楽章の最終部分は演奏至難な難曲です。

第1楽章は情熱的な曲です。 パッションを持って弾くと良いのですが、それが伝わりにくい曲です。
レッスンで生徒さんにもよく言うことですが、冒頭はsfが付いていますので、具体的な奏法としては、小指の指先だけで音量を出すことは難しく、小指全体を使って手と腕の重みを鍵盤に乗せながら弾かないと音が出にくいかと思います。

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第61小節からハ長調によるとても美しいメロディーが出てきますが、このメロディーはシューマン自身によって彼の日記の中に後に夫人となったクララを描いた旋律であると書き残しています。

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シューマン国際ピアノコンクール1位でいらっしゃるパリ国立高等音楽院教授のアンリ先生のレッスンを2年ほど前にこの曲で受けたことがありますが、冒頭からここに現れるpまで情熱的に一気に弾いてしまうそうです。

ここのpの部分でそれまでの緊張感が和らぎ美しいメロディーを奏でると対比がよく出るかと思います。

楽譜には何も書かれていませんが、この曲にシューマンは元々「廃墟」というタイトルを付けていたようで、この第1楽章の第129小節からはまさに暗い精神性が現れている部分です。

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最後はベートーヴェンの歌曲≪遥かなる恋人に≫からの歌曲のテーマがそのまま引用されて曲が締め括られます。

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この第1楽章はソナタ形式に近い形式を持っていますが、ベートーヴェンのソナタとは異なる形式を持っており、音楽研究者の研究の対象となっている曲でもあります。


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