ショパン 即興曲

2016年10月
10 /22 2016
大人の方でショパンの幻想即興曲に取り組まれる方がいらっしゃいますので、今日はショパンの即興曲について書いてみようと思います。

19世紀のロマン派時代には、自由な形式で気の赴くままに心の変化を捉えた性格小品が多数書かれました。 即興曲もその内の一つでソナタ形式やロンド形式にはまらない作品ですが、即興に作ったというよりは作曲者が謙遜の意味を込めてそう銘打ったと言うところもあります。

ショパンは即興曲を4曲残しておりますが、どれもその名の通り自由に心の変化を歌い上げた作品ですが、その構成はいずれも三部形式に近く論理的でショパンの天才性を発揮した佳品となっております。 この命名はショパン一流の皮肉とも言えます。

第1番変イ長調作品29は1837年に作曲されております。 マリア・ヴォジ二スカとの婚約が破棄された年の作品ですが、失意の感情ではなく穏やかさと明るさに溢れた美しい曲で、ショパンの繊細な指から即興的に紡ぎ出されたような短い曲です。

第2番嬰へ長調作品36は1839年に作曲されたものです。 マヨルカ島で健康を害したショパンがノアンのサンド邸で健康を取り戻した時期で心気一転した気持ちを表し詩的な深い内容のものです。 構成も自由に変奏していくスタイルで最後はフォルティシモの和音で締めくくっております。

第3番変ト長調作品51は1842年に書かれた作品です。 第1番とモティーフも形式もよく似ておりますが、後期の円熟した書法から醸し出される音楽は優雅で美しく内省的な作品です。

第4番嬰ハ短調作品66「幻想即興曲」は出版されたのは4番目ですが、作曲されたのは最も若い時期の1834年から翌年にかけてです。 生前は出版されずショパンの死後6年経った1855年に友人のフォンタナによって手を加えられ出版され「幻想即興曲」というタイトルもフォンタナによって付けられました。 1962年ピアニストのルービンシュタインがショパンの自筆譜を発見し、ショパンによる1834年の初稿、フォンタナ版、1835年の日付のある改訂稿の3つの楽譜が存在するという複雑な事情になっております。

ショパン 幻想即興曲♫~エフゲニー・キーシン


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