暗譜の仕方

2015年12月
12 /13 2015
暗譜の仕方には様々な方法があります。

現在のクラシックのピアノソロのコンサートスタイルでは、ピアニストは暗譜で弾くのがほとんどですが、(リヒテルは楽譜を見て弾くことにこだわりを持つピアニストでした)その源流を作ったのは現在、論文で私が研究テーマとしているロヴェルト・シューマンの夫人であるクララ・シューマンであると言われています。

視覚的に暗譜する、たくさん練習を積むことによって反射神経に覚えこませる、など暗譜の仕方には人によって様々なパターンがあるようですが、ワルター・ギーゼギングと呼ばれるピアニストは、演奏旅行の移動中、どんな新しい楽譜を見せられても3時間ですぐ覚え、コンサートで演奏したと言われています。

↓私が7月にコンサートで演奏した際の暗譜のために書き込んだ楽譜です。
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同じところを蛍光マーカーでくくったり、違うところをチェックしたり、完璧に覚えられるまで本番直前までチェックしながら詰めて行きます。 こちらはコンサートのお話しを頂いてから2か月ほどで暗譜をし本番へ向けて仕上げました。

シューマンの幻想曲は演奏するのに30分ほどかかる大曲ですが1つの楽章の中に、何度か同じ反復があり、それが毎回少しずつ違って繰り返されるので暗譜がとても大変な曲です。

私が現在プライベートで師事する♪阿部裕之先生♪のレッスンでは、暗譜についても演奏家としての視点からアドヴァイスを頂いております。 シューマンの幻想曲は演奏家にとって、暗譜が難しく、完璧に暗譜したつもりでも、無意識に手が違うところに飛んでしまったりするのだそうです。 同じ箇所が何回出てくるか回数をメモしたり工夫をしていたところ、「シューマンの幻想曲は頭で覚えては弾けないよ」と言われ、かといってまた「細部の練習ばかりをしていても弾けるようにはならない」とアドヴァイスを頂きました。

阿部先生のアドヴァイスによると、この曲では暗譜のコツが2つあるそうです。 まず、細かい難しいパッセージを練習した後、30分の全体を通して弾いた時に、集中力が途中で途切れないよう全体を通しての練習をすることだそうです。 次に細部の暗譜の確認のために違う箇所だけ取り出して練習をし、その2通りの違うパターンを即座に弾き分けられるようになるまで練習する事だそうです。 この段階の作業は、芸術のお勉強というよりは、単純な暗記ものの受験勉強と似ているかもしれません。

私が小さい頃師事した先生方は楽譜をまずよく見なさいという考え方で、普段のレッスンでは暗譜はあまり要求されませんでしたが、海外の音楽学校では初回のレッスンから暗譜で臨むのが通常だと言われます。
海外ではあまり1曲を長く弾くという習慣もないようで、どれだけたくさんのレパートリーを習得できるかということに主眼が置かれているようです。

さて、小さいお子さんが暗譜に苦労するというのをあまり見たことがありません。
1週間もあればすぐに覚えられるようです。
20歳までに覚えたレパートリーは大人になっても全く忘れないと言われています。
ピアニストになるためには20歳までにどれだけレパートリーを習得できるかということにかかっているかもしれません。

シューマン 幻想曲 ハ長調♫~谷真子


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